イランのエネルギー産業

 電力生産に関して、イランは、世界第20位を占める。イランの電力供給システムは、エネルギー地区ネットワークであり、その大部分は、統一エネルギー・システムに統合される。

 事実上、国内の全電力(90%)は、非政府組織の地位を有する地域エネルギー会社の発電所で生産される。これらの会社は、 エネルギー省の管轄下にあり、実際、省により統制及び監督される。

 国内には、電圧400、230、132、66、63、33、20、11kWの高圧送電線、並びに交流周波数50Hzの電圧220W及び400Wの低圧配電網が存在する。イランの送電及び配電網における電力の総損失は、一般に認められた標準を超え、15%に達する。送電線の総延長は、2001年、42万kmに達した。

 イランのエネルギー・システムは、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニア及びトルクメンのエネルギー・システムと送電線で結び付いている。

 イラン・エネルギー省のデータによれば、2001年、同国の発電所の規定出力は、1,200MW増大し、28,000MWに達し、電力生産は、2000年度より3%多い、1,201億kW/hに達した。電力の86%は、火力発電所で生産される。

 2001年、イランの電力供給業務に、旱魃が否定的に影響した。イランで3年間続けて観察された自然災害のため、同国の水力発電所の電力生産が低下した。その結果、発電力の予備は、2001年、平時標準(25〜30%)の半分以下の9%にまで低下した。電力生産の増加は、計画されたものより低かった(第3次5ヵ年計画の課題として、年間7.2%の電力生産増加が規定された。)。多くの地区への適正給電の導入に関する問題が提起された。

 電力需要機構においては、公共部門が35%と優勢で、更に産業34%、農業8%、国家及び商業機構23%と続く。配電網の総加入者数は、1,500万人を超える。

 最近、イランの電力需要は、年間6から8%成長している。そのようなテンポ(需要からの若干の遅れと共に)で、規定電力と電力生産が成長しており、都市(99%)、並びに農村地区(92%)のように、高水準の電化の保障を可能にしている。遠隔の州及び地区では、 電力消費のピーク期間(通常、夏期)、発電力及び電力網の処理能力の不足が感じられる。

 2001年10月22日にテヘランで開かれた第16回国際沿ルギー会議に出席して、イラン・イスラム共和国エネルギー相H.ビタラフは、次の4年間、イランで数ヶ所の新しい発電所が竣工し、11,000MWの電力増加を可能にすると表明した。2005年までに、イラン最初の原子力発電所「ブシェル」の運用開始と共に、同国の発電装置の総出力は、39,000MWに達する。

 部門指導部は、電力料金の値上げと生産費の低下のような措置を取る必要性について述べている。第3次5ヵ年計画に関する法律により、2003年度の電気料金の10%値上げが規定され、エネルギー省は、25% の電力料金値上げを政府及び議会に提案せざるを得なかった。

 2001年、イランの電力供給は、30兆リアル(現行の交換レートで、37億ドル)の不足に直面した。イラン国営エネルギー会社「タヴァニル」のデータによれば、22のエネルギー・プロジェクトの完遂のために、11億ドルが必要とされる。9億5千万ドル が火力発電所の運用開始に、1億ドルが水力発電所に、5千万ドルが配電網の発展に必要である。

 2001年、国営単一企業「対外貿易公団テフノプロムエクスポルト」は、2ブロック(各315MW)を火力発電所「ラミン」の運用のために発注主に引き渡した。その結果、 「対外貿易公団テフノプロムエクスポルト」の技術援助の下で建設されたこの発電所の総出力は、1,890MWに達し、イランで出力最大の発電所となった。

 閉鎖型株式会社「アトムストロイエクスポルト」の下で、出力1,000MWの原子力発電所「ブシェル」の第1ブロックの完工に関する作業が続けられている。

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最終更新日:2004/03/15

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