シャーの空軍は、最先端のF-14トムキャット戦闘機を含む450機以上の近代的軍用機と、約5,000人の良く訓練されたパイロットを有していた。1979年まで、100,000人近くを数えた空軍は、3軍種で最も先進的で、発展途上国で最も堂々たるものだった。革命後の空軍に関する信頼できる情報は、入手が難しかったが、1987年までに、かなり多数の航空機が予備部品のために共食いしていたように思われる。
革命前、空軍は、戦闘及び戦闘爆撃能力を有する15個飛行隊と1個偵察飛行隊に組織された。加えて、1個空中給油飛行隊と、4個中型輸送飛行隊及び1個軽輸送飛行隊が、堂々たる兵站バックアップを提供した。1986年までに、遺棄と消耗は、戦闘及び戦闘爆撃能力を有する8個飛行隊と1個偵察飛行隊への空軍の再編に帰した。この減少した戦力は、2個統合空中給油・輸送飛行隊と5個軽輸送飛行隊により支援された。約76機のヘリと5個地対空ミサイル(SAM)大隊が、この能力を補足した。
空軍本部は、テヘラン近郊のDoshan Tapeh空軍基地に位置した。テヘラン郊外のイラン最大の空軍基地メフラバードは、同国の主要民間空港でもあった。他の主要作戦空軍基地は、タブリーズ、
バンダル-エ・アッバス、ハマダン(Shahroki空軍基地)、Dezful(Vahdati空軍基地)、シラーズ、及びBushehrに存在した。1980年以来、アフヴァーズ、イスファハン(ハタミ空軍基地
)、及びBandar Beheshtiの空軍基地も、運用可能となっている。
1970年代を通して、イランは、空軍のために洗練された機体を購入した。77機のF-14Aトムキャット戦闘機の調達は、F-5戦闘機×166機及びF-4ファントム戦闘爆撃機×190機に加え、イランに強力な防御かつ潜在的攻撃能力を与えた。その治世終結前に、シャーは、F-16戦闘機を発注し、合衆国海軍の新しいF-18戦闘機用の開発費の分担を考慮すらした。しかしながら、これら両戦闘機は、革命体制の軍事調達リストから脱落している。
イラン・イラク戦争が1980年に始まったとき、80km以上の射程から6目標を同時に識別及び撃破できるフェニックス・ミサイルを装備したイランのF-14は、イラク空軍に大損害を与え、その機体のヨルダン及びオマーンへの分散を強制した。F-14とF-4の能力は、ボーイング707空中給油機飛行隊の早期調達により向上され、空中給油によりその戦闘行動半径を2,500kmまで拡大した。
しかしながら、1987年までに、空軍は、予備部品と交換装備の深刻な不足に直面した。恐らく、190機のファントムの内、35機が1986年に稼動していた。1機のF-4がサウジのF-15により撃墜され、1984年、2人のパイロットがそのF-4と共にイラクに投降した。F-5の機数は、166機から多分45機に、F-14トムキャットは77機から多分10機に減少した。後者は、合衆国の武器禁輸後、維持が特別な困難を引き起こしたため、最大の損失だった。
武器売却に関する「独立」の政策を有する中国と北朝鮮は、イランに戦闘機を売却する意志を有する唯一の国だった。イランは、1986年、2機の中国製Shenyang
J-6訓練機を調達した。1987年の未確認報告は、イランがShenyang
F-6(中国製MiG-19SF)を受領しており、イラン人パイロットが北朝鮮で訓練を受けていたことを示した。偵察飛行隊も、限定的な装備でその任務を遂行に取り組んでいる。一時は34機近くの飛行機が飛行したが、1987年後半までに、5機のトムキャットを非戦闘任務
用に転換し、8機までに減少しているかも知れない。この5機が迎撃飛行隊の10機に加えられたのかは、明らかではなかった。偵察機の技術的洗練を考慮すれば、イラン標準
を遂行できる新しいものを非西側源から調達することは、ほぼ不可能であった。唯一の実体のある調達は、スイスからの46機のPilatus PC-7の購入だった。イランは、3機の川崎C-1輸送機と3D防空レーダー・システムを日本に要求したが、この取引は、1987年までに実現しなかったようである。レポートは、イランが30機のHughes 500Dヘリをアルゼンチンに発注していたことも示した。
その当初から、空軍は、防空責任も引き受けた。CENTOの援助の下1950年代に構築された既存の早期警戒システムは、1970年代に、近代的な防空レーダー・ネットワークで向上された。地上レーダー構成要素
を補完し、湾岸地域の包括的カバーを提供するために、合衆国は、1977年後半に、7機のボーイング707空中警戒・統制システム(AWACS)機をイランに売却することに同意した。革命のため、ワシントンは、この機密装備が損なわれるかも知れないと主張して、AWACS売却をキャンセルした。最終的に、空軍の3個SAM大隊と8個ホーク改大隊は、1980年代中盤(1,800発以上のミサイル
が係わるプロジェクトにおいて)、レイピアとタイガーキャットも包含する5個大隊に再編された。1985年と1986年のホークの予備部品及びミサイルのワシントンによる売却は、この能力を向上させているかも知れない。
空軍の主要維持施設は、メフラバード空軍基地に位置した。近くのイラン航空産業は、整備部隊に主要オーバーホール・バックアップを提供するのに加えて、予備部品の製造で活動している。
機種 | 機数 |
MiG-29 | 35 |
MiG-29UB | 5 |
F-14A Tomcat | 20 |
Su-24MK | 30 |
F-4D/E Phantom | 40 |
RF-4E Phantom | 6 |
F-5E/B/F Tiger II | 45 |
F-7N | 14 |
FT-7 | 4 |
F-6(MiG-19) | 18 |
Su-20 | 4 |
Su-22 | 40 |
Boeing 707-3J9C | 14 |
Il-76 | 13 |
P-3F Orion | 3 |
C-130E/H Hercules | 23 |
RC-130H Hercules | 2 |
An-74 | 10 |
Boeing 747F-13-131 | 7 |
Boeing 747F-200 | 4 |
F27-400M/600 Friendship | 10 |
Harbin Y-12 | 9 |
Harbin Y-7 | 14 |
CH-47C Chinook | 5 |
Falcon 20 | 2 |
Falcon 50 | 3 |
Jetstar 8 | 1 |
Aero Commander 690 | 3 |
AB206B JetRanger | 2 |
PC-6B Turbo Porter | 10 |
AB212 | 5 |
AB214A/C | 20 |
T-33 | 5 |
Beech F33 Bonanza | 26 |
EMB-312 Tucano | 15 |
PC-7 Turbo Porter | 45 |
MFI-17B Mushshak | 25 |
Dornier 228 | 5 |
最終更新日:2004/03/15
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